宮城県・牡鹿半島にある谷川漁港は、釣り人にとって知る人ぞ知る漁港です。港内には二つの堤防があり、それぞれに異なる魅力があります。落ち着いた雰囲気の中でじっくり釣りを楽しめるだけでなく、近くには河口や磯場もあり、少し足を伸ばせば釣りのバリエーションも広がります。そんな谷川漁港の特徴や釣りポイントを詳しく紹介していきます。
谷川漁港 突提
谷川漁港に着いてまず目を引くのが、入り口近くにある広々とした突提です。
この突提は、付け根から河口にある水門のすぐそばまで歩いて行ける構造になっており、ちょっとした探検気分も味わえます。
突提そのものはかなり幅があり、荷物を広げても余裕のあるスペース。家族連れや友達同士でもゆったり釣りを楽しめるのが魅力です。
特に西側、つまり河口に面した側には砂泥が広がっており、フラットフィッシュを狙うにはうってつけのポイント。干潮時には水面がぐっと下がるので、地形の変化も見やすく、釣り初心者にもやさしい場所です。
一方で、突提の内側――港内に面した側には明るい常夜灯が設置されていて、夜釣りのときには心強い存在。アジやメバルといった夜行性の魚を狙うこともできます。
ただし、突提のまわりは全体的に水深が浅めなので、満潮・干潮のタイミングや釣り方には少し注意が必要です。底が見えるくらいの透明度の日もあるので、ルアーの動きを見ながら釣るのも楽しいポイントです。
谷川漁港 港内
突提を過ぎて港の内側へと目を向けると、そこには二つの堤防にしっかり囲まれた穏やかなエリアが広がっています。風や波の影響を受けにくく、海面はいつも静か。初心者や小さな子どもを連れての釣行にも安心な場所です。
港内の一角には大きめのスロープがあります。スロープの先の方は深くなっているので魚が溜まりやすいポイント。チョイ投げやウキ釣りでのんびりと魚を狙えます。
また、港内にはクレーンが設置されており、その上には大型の常夜灯が取り付けられています。これが夜になるとかなり明るく、突提と同じく夜釣りにも最適な環境が整っています。灯りに集まってくるアジやサバ、メバルなどの小型回遊魚を狙うなら、このエリアは見逃せません。
ただし注意点もあります。港内全体はかなり水深が浅めで、満潮時でも底が見えることも。そのため、底を狙うよりは表層〜中層を意識した釣り方がおすすめです。
谷川漁港 堤防
谷川漁港のもう一つの注目ポイントが、港内の対岸に伸びる細身の堤防です。
この堤防は全体的にやや幅が狭く、釣りをするには少し窮屈な印象があります。
港内側には多くの漁船が係留されており、釣りスペースはほとんどありません。このため、外洋側に向かって竿を出すのが基本のスタイルになります。
しかし、堤防の壁は比較的低く、登り降りも容易なので、身軽な人であれば釣り座を確保するのはそこまで難しくありません。
ただし、足場は狭く転落の危険もあるため、安全には十分な注意が必要です。
特徴的なのは、堤防に珍しく常夜灯が設置されている点。夜でも比較的明るく、アジやメバルを狙うナイトゲームにも対応できる場所です。
さらに、この堤防の根元付近からは、隣接するゴロタ浜や小磯へのアクセスも可能です。潮位や波の状況を確認する必要はありますが、足場を選べばロックフィッシュなどを狙える穴場スポットへと繋がっています。
水門近辺
谷川漁港の一角には、釣り好きにとって気になるスポットがもう一つあります――それが港の奥に位置する水門まわりです。河口と漁港をつなぐこの水門周辺は、場所によって釣りの雰囲気がガラリと変わるのが魅力。
まず、港内から水門側へは歩いてアクセス可能。堤防や突提からそのまま続くように行けるので、ランガンしながら立ち寄るのもおすすめです。また、車を使えば対岸側へすぐに移動できるのも嬉しいポイント。水門の向こう側にはゴロタ浜や小さな岩場が広がっており、より自然に近いフィールドでの釣りが楽しめます。
水門周辺の最大の特徴は、流れの速さ。潮が動く時間帯には川のように水が流れ、ベイト（小魚）を追ってフィッシュイーターたちが回遊してくることも。
ただし、足元には敷石が敷かれているエリアが多く、根掛かりが発生しやすい点には要注意。特に底を攻める釣りでは、仕掛けのロストを防ぐためにも軽めのシンカーやフロートリグの使用がおすすめです。
水深
谷川漁港の水深は全体的に浅めで、干潮時には底が見える場所も少なくありません。
具体的には、水門まわりでおおよそ2メートル前後、港内や突提の周辺でも3メートルに満たないポイントが多くなっています。もっとも深い場所は堤防の先端部付近で、それでも5メートルを少し超える程度。
底質は、港内を中心に砂泥が広がっています。一方で、堤防周辺はほとんどが敷石で覆われており、根魚が潜むポイントにもなっています。この敷石帯では、ロックフィッシュの実績もあり、ライトタックルでの探り釣りが楽しめます。