宮城県の海には、ユニークな姿と抜群の美味しさを誇る「シャコエビ」が生息しています。
エビの仲間ですが、その見た目や習性はちょっと不思議で、釣りのターゲットとしても料理の食材としても魅力たっぷり。
本記事では、宮城でシャコエビを釣る方法や釣れる場所、そして美味しく食べる調理法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
「海釣りは初めてだけどシャコエビを釣ってみたい!」という方も、ぜひ参考にしてください。
第1章 シャコエビの生態

シャコエビ(正式には「シャコ」)は、甲殻類の一種で、体長は10~15cmほど。鎌のような前足を持ち、エサを捕らえる素早さと攻撃力は抜群です。宮城県では春から初夏、そして秋にかけてよく見られます。
一番の特徴は鮮度が落ちるのが非常に早いこと。シャコエビは死ぬと酵素の働きで身が急速に分解され、短時間で柔らかく溶けたような状態になってしまいます。そのため、釣れたらすぐに茹でてしまうか、エアーポンプなどを使って生かしておくのが基本です。
砂泥底の浅場や港内、河口付近に生息し、普段は砂に潜って生活しています。夜行性で、暗くなるとエサを探して活動を始めるため、釣りやすい時間帯も夜や早朝が多いのが特徴です。
第2章 シャコエビが釣れる場所

大まかな生息・釣り場の特徴
シャコエビは砂泥底の浅場を好み、流れの穏やかな漁港や湾内でよく見られます。特にハゼがよく釣れる場所は、同じような環境を好むシャコエビにとっても好ポイント。砂や泥に潜って生活しているため、足元やちょっとした船溜まりでも釣れることがあります。
宮城県内でのおすすめ釣り場
- 松島湾(塩竃エリア)
波が穏やかで砂泥底が広がっており、シャコエビの生息環境として理想的。港や河口周りを探るとヒット率が高いです。 - 閖上(仙南エリア)
阿武隈川河口に位置し、淡水と海水が混ざる汽水域。砂泥が豊富でシャコエビが多く、初心者でも釣果を得やすいポイントです。 - 仙台港 3Mパーク
人気の高い釣りスポットで、足場も良くファミリーにもおすすめ。ハゼやカレイ狙いのゲストとしてシャコエビが釣れることも多いです。
第3章 シャコエビの釣れる時期と時間帯

釣れる時期
宮城県でシャコエビが釣れるシーズンは、初夏(5月)から晩秋(11月)まで。
- 初夏(5月~6月):卵を抱えた「卵持ち」のシャコエビが狙える時期。身は少し痩せ気味ですが、産卵前の個体が多く珍しい味わいを楽しめます。
- 晩秋(10月~11月):脱皮を終え、身がしっかり詰まった「実入り」の良いシャコエビが釣れるベストシーズン。食味的にはこの時期が一番の狙い目です。
釣れる時間帯
シャコエビは基本的に1日中釣れる生き物ですが、夜行性のため日没後や夜間の方が活発に動き、釣果も上がりやすくなります。港内の常夜灯周りは好ポイントです。
第4章 シャコエビの釣り方

タックルと仕掛け
シャコエビ専用の仕掛けも市販されていますが、基本はハゼ釣りと同じ仕掛けで十分です。
- ロッド・リール:ハゼ釣り用のコンパクトロッドやライトタックルでOK。
- 仕掛け:ちょい投げ用の簡単な天秤仕掛け。
- 針:小型ハゼ用の5号前後がベストサイズ。
エサ
- おすすめ:アオイソメ、ジャリメ
どちらも匂いと動きでシャコエビを誘いやすく、実績があります。
釣り方のコツ
- 砂泥底のポイントへちょい投げで仕掛けを投入。
- 投げたら置き竿で放置して待つ。
- アタリは魚のような鋭い引きではなく、ぬるっと重くなるような感触が特徴。
- アタリがあったらすぐに合わせず、少し間をおいてから合わせると針がかりしやすい。
シャコエビは引きが控えめなので、知らない間に掛かっていることもあります。時々仕掛けを確認してみましょう。
第5章 シャコエビ釣りの注意点

- 鮮度管理が最重要
シャコエビは死ぬとすぐに身が溶けるため、釣れたらすぐに茹でるか、エアーポンプで生かしておくことが必須です。バケツでの長時間放置は避けましょう。 - ポイント選びは穏やかな場所
潮通しの良い場所よりも、漁港内の穏やかな砂泥底の方がシャコエビの生息率が高く、釣りやすいです。 - ゲストが多い釣り
シャコエビ狙いでも、ハゼ・穴子・ドンコなど多彩な魚が掛かります。シャコだけをピンポイントで狙うのは難しいため、外道も楽しむ気持ちで臨みましょう。 - アタリの分かりにくさ
シャコエビは引きが弱く、アタリがはっきりしません。仕掛けを投入したらこまめに竿先やエサを確認して、チャンスを逃さないようにしましょう。 - シャコパンチに注意!
シャコエビの鎌状の前脚は非常に強力で、獲物を捕らえる際に素早く打ち出す動きは「シャコパンチ」と呼ばれます。指を叩かれると怪我をすることもあるため、素手でつかまずトング等を使用しましょう。 - 針を外す際は丁寧に
針を外すときはフォーセップやピンセットを使い、シャコに余計なダメージを与えないようにしましょう。生かして持ち帰る場合は特に、素早く優しく外すことが大切です。
第6章 シャコエビ(シャコ)の料理法

シャコエビは鮮度が命。釣れたらできるだけ早く調理するのが美味しさの秘訣です。ここでは代表的な料理法を紹介します。
1. 塩茹で(定番)
最もシンプルでシャコの甘みをダイレクトに味わえる方法。
- 釣れたシャコをよく洗い、泥や汚れを落とす。
- 沸騰したお湯に**塩(海水程度の濃さ)**を入れる。
- シャコを投入し、中サイズで2〜3分、大きめで4〜5分ほど茹でる。
- 茹で上がったらすぐにザルにあげ、水気を切る。
※熱いうちに殻をむくと、身が崩れにくい。
2. 味噌汁
殻ごと使えば、シャコの旨みがスープに溶け出し絶品。
- 茹でたシャコを殻付きのまま鍋に入れ、味噌汁に。
- 殻から出る出汁が濃厚で、磯の香りを存分に楽しめます。
3. 天ぷら
シャコの身を剥き、衣を薄くつけて揚げればふんわり甘い味わい。
- 下処理後、軽く塩を振って水分を拭き取り、薄衣でサッと揚げるのがコツ。
4. 寿司ネタ
茹でたシャコを寿司ダネとして握ると、甘みと旨味が引き立ちます。
- 市販の寿司屋で出されるような上品な味わいを、自宅でも再現可能。
まとめ
- シャコエビ(シャコ)は砂泥底の浅場や穏やかな漁港に生息し、宮城県では松島湾、閖上、仙台港3Mパークなどが好ポイント。
- 釣れる時期は5月〜11月。初夏は卵持ち、晩秋は実入りの良い個体が狙える。
- 夜行性で、夜間や常夜灯周りの方が釣果が上がりやすい。
- 仕掛けはハゼ釣り用で十分。エサはアオイソメやジャリメが実績あり。
- アタリは「ぬるっと」重くなる感触で、少し間をおいてから合わせるのがコツ。
- 鮮度落ちが早いので、釣れたらすぐ茹でるかエアーポンプで生かす。
- 塩茹で、味噌汁、天ぷら、寿司など多彩な料理で楽しめる。