宮城県で「タコ釣りやってみたい!」と思ったこと、ありませんか?
実は宮城のタコ釣りは、ちょっとだけ“上級者向け”。というのも 禁漁期間 が設定されていたり、共同漁業権 が沿岸のほとんどに掛かっていたりと、ルールを知らずに竿を出すとトラブルになってしまうこともあるんです。
でも大丈夫。
ルールさえ理解していれば、宮城でもタコ釣りはしっかり楽しめます。むしろ「知っている人だけが安全に遊べる、ちょっと特別なターゲット」という感じでワクワクしますよね。
この記事では、
・宮城県のタコ釣りに関するルール(禁漁・漁業権)
・釣ってOKな場所の考え方
・安全に楽しむためのコツ
をまとめてわかりやすく解説します。
第1章:宮城県でタコ釣りが難しい理由(禁漁期間の詳細入り)
宮城県でタコ釣りをしようとすると、他の魚にはない“特別な壁”が立ちはだかります。
それが 禁漁期間 と 共同漁業権。
この2つがあることで、宮城のタコ釣りは「自由にどこでも狙える釣り」ではなくなっているんです。
● 宮城県では4月〜8月が禁漁期間
まず、宮城県では毎年4月から8月までの5か月間がタコの禁漁期間です。
つまり、
春〜初夏の“最も釣れやすいシーズン”が、そのまま禁漁期間に当たる
という、なかなか衝撃的な状況なんです。
この期間中は、
- 釣る
- 捕まえる
- 持ち帰る
すべて禁止。
宮城県漁業調整規則に基づく違反となり、懲役や罰金の対象になります。
● ほとんどの沿岸が「共同漁業権エリア」
宮城県では、漁港・堤防・港湾周辺などの多くが 共同漁業権の区域 です。
そしてタコは、地域によって 漁業権の対象種 に指定されています。

簡単に言うと──
共同漁業権エリアでタコを採ったら、許可がない限り「漁業権侵害」でアウト。
釣り人が“いつもの感覚”でタコを狙えない最大の理由がこれです。
● ルール無視は本当に危険!
宮城県では、タコ釣りでのトラブルや密漁対策が強化されていて、取り締まりも現実に行われています。
ここでは具体的な罰則のイメージをまとめておきます。
▼ 漁業権を侵害した場合
タコのような漁業権対象種を、許可なく採捕した場合の罰則は、
- 100万円以下の罰金
と非常に重いです。
「知らなかった」「看板に書いてなかった」などは基本的に通用しません。
▼ 特定水産動植物に対する“より重い罰則”
タコとは別枠ですが、密漁の罰則がどれほど強化されているかのイメージとして重要なので説明します。
アワビ・ナマコ・シラスウナギなどの「特定水産動植物」を密漁した場合は、
- 3年以下の懲役(拘禁刑)
- 3,000万円以下の罰金
という、日本でも最高レベルの重罰が科されます。
タコはこのカテゴリではないですが、
「密漁=重罪」という空気感は全国的に強まっている のが現実です。
▼ 実際に取り締まりがある
宮城県でも、夜間の漁港や堤防での巡回はよく行われています。
タコ狙いの釣り人が職員や警察から声をかけられることも珍しくありません。
つまり、宮城のタコ釣りは
ルールを知らずにやると、一気に“違法”へ踏み込んでしまう可能性が高い釣り
なのです。
● だからこそ事前の知識が大切
- 禁漁期間(4月〜8月)
- 漁業権
- タコを採っていい場所の条件
これらを正しく理解していれば、宮城でもタコ釣りは楽しめます。
次の章では、「宮城県で実際にタコ釣りができる場所の考え方」 を詳しく解説していきます。
第2章:宮城県でタコ釣りができる場所の考え方
宮城県でタコ釣りをする場合、最初にぶつかる壁が 共同漁業権 です。
多くの沿岸は地元漁協の管理下にあり、そこではタコは「漁業権の対象種」として扱われています。
つまり──
漁業権が設定されていないエリアだけが、タコ釣りを検討できる場所
ということになります。
● 宮城県で「共同漁業権がない」主な場所
宮城県で、漁業権が設定されていない(=タコ釣りの可能性がある)場所は限られており、代表的なエリアは次のとおりです。
気仙沼港

石巻港

石巻港の詳細はこちら
塩釜港

塩釜港は釣り禁止場所が多いです。詳細はこちら
仙台港

仙台港3Mパーク以外は釣り禁止です。
この4つ以外の多くの沿岸は 共同漁業権エリア に該当するため、特にタコ釣りに関しては基本NGと考えたほうが安全です。
ただし──
ここが超大事なポイントです。
「漁業権がないエリア=いつでも自由にタコが釣れる」ではない
ということ。
同じ港の中でも、区域によって漁業権の適用が分かれているケースもあるため、注意が必要です。
● リスクの高い場所を避ける
漁業権がないと言われている港でも、
絶対に大丈夫!と断言できる場所はありません。
これは本当に大事です。
港ごとに、
- 区域の細かい指定
- 管理者の方針
- 漁港ごとのローカルルール
- 最新の禁漁規定の変更
などが存在するため、ネットの情報だけで判断するのは危険です。
▼ だから最も安全なのは…
釣りに行きたい港の管理者(漁港管理事務所や漁協)へ直接問い合わせること。
これが一番確実で、一番安全。
誤った情報のまま釣ってしまい「知らなかった…」では済まない世界です。
● 「密漁禁止」の看板がある場所は絶対に避ける
宮城県では、漁港や堤防の入口・ポイント付近に
「密漁禁止」「漁業権侵害は犯罪です」
という看板が設置されている場所が多くあります。

これらの看板があるということは、
- その場所で過去にトラブルがあった
- 監視や取り締まりが強化されている
- 実際に漁業権が設定されている可能性が高い
というサインです。
密漁禁止の看板があるポイント=絶対に竿を出さない。
これがタコ釣りの鉄則です。
場所選びは「慎重すぎるくらいでちょうどいい」
宮城県でタコ釣りができる場所は本当に少ないのが現実。
でも、ルールをしっかり理解し、確認を怠らなければ楽しむことは可能です。
- 情報は必ず最新を確認
- ネット情報だけで判断しない
- 港に問い合わせる
- 密漁禁止看板の場所は近づかない
この4つを守ることが、宮城のタコ釣りでは特に重要です。
第3章:タコ釣りの基本タックル
長々と釣り場所について語りましたが、ここからは実際にタコ釣りのやり方について書きます。
タコ釣りは「専用タックルじゃないと無理?」とよく聞かれますが、実はそんなことありません。
大事なのは パワーがあること。
タコは強く引くというより「重たい&貼り付く」ので、道具はシンプルでOKです。
● ロッド:専用じゃなくてもOK。とにかく“硬い竿”が正義
タコ専用ロッドがあればベストですが、なくても問題なし。
- シーバスロッド(Hクラス)
- エギングロッドの固め
- ジギングロッド
- ショアキャスティングロッド
など、できるだけ硬めの竿 を選ぶことが大切です。
理由は簡単で、
- タコの重量
- 岩や壁に貼り付いた時の引きはがし
- ゴリ巻きに必要なパワー
これらに耐えられるかどうかが勝負だからです。
● リール:ほぼ何でもOK
タコは走り回る魚ではないので、ドラグ性能や巻きスピードはあまり重要じゃありません。
- スピニングリール
- ベイトリール
どちらでも問題なし。
普段使っているリールで十分対応できます。
● ライン:PE6号以上が安心。リーダーは必須ではない
タコ釣りは ラインの太さが命。
細いラインだとへばり付いたタコを引きはがす事は困難です。無理やり取り込む糸の強度が必要です。
▼ ライン設定の目安
- PEライン:6号以上(理想は6〜8号)
- リーダー:なくてもOK
● 仕掛け:タコエギ・タコジグ・タコテンヤ
タコの仕掛けは主に3種類。
▼ タコエギ

使い方はちょい投げで底に付いてらチョンチョンと底を叩くようにしながらタコを誘う。重さを感じたら一気に引き上げる。
- 2.5〜3.5号が主流
- 3号位のオモリを付けると良い。細めのオモリを使うと根掛が減る
- 初心者に最も使いやすい
▼ タコジグ
使い方は真下に落として、ボトムでチョンチョンと動かして誘う。反応が無かったら少し上に巻いてまた同じ動作で誘い、上の方まで壁際を探る。途中、重さがのったら一気に引き上げる。
- 鉛+フックというシンプル構造
- 投げず堤防沿いに落とすだけの仕掛け。底を探りやすい
- 堤防の壁にへばり付いているタコを狙うのに最適
▼ タコテンヤ
使い方はタコエギと同じ使い方をしてもOK。生エサじゃなくてもカニのワームなどを付けて使っても良い。匂いの強いロックフィッシュ用のワーム(ガルプや熟成アクア)でもOK。
- 重いエサを固定して狙う伝統的な仕掛け
- 生エサ(カニ・魚)を付けられる
- 底に置いて待つ釣りにも相性◎
● 釣れる時間帯:昼でも釣れるが“夜の暗い時間帯”が本命
タコは夜行性の生き物で、夜になるとエサを求めて活発に動き回ります。
▼ タコの活動パターン
- 昼間
→ 釣れないわけではないが、底の岩陰や構造物に隠れていることが多い - 夜
→ タコの捕食タイムで、積極的にエサを追う
→ 動きが活発になり、エギ・ジグにも反応しやすい
つまり、
「昼でも釣れる。ただし本気で狙うなら夜が圧倒的に強い」
というのがタコ釣りのコツです。
◆ 第4章:宮城でタコが釣れる時期

宮城県のタコ釣りは「季節」と「禁漁期間」に大きく左右されます。
さらにタコの生態──寿命や越冬の仕方──を知ると、なぜ季節ごとに釣れ方が変わるのかがより理解できます。
● 最盛期は本来6〜7月だが…宮城ではここが禁漁
全国的にはタコが最も釣れるのは
- 6月〜7月(初夏)
- 夏〜初秋(7〜10月)
ですが──
宮城県では4月〜8月が禁漁期間。
つまり日本全国の“最盛期まるごと禁止”というルールになります。
● 秋(9〜11月):禁漁明けで最も釣りやすい
禁漁が解ける9月になると、宮城のタコ釣りが一気にスタートします。
秋は、
- 夏に成長したタコが港に残っている
- 水温が安定して活性が高い
- 数・サイズともに期待できる
という理由で、宮城の実質的な“最盛期” と言えます。
初心者でも釣果が出しやすい時期ですね。
● 冬(12〜1月):越冬タコが残り“キロアップ”が狙える
タコは寒さで全滅するわけではありません。
冬でも港や障害物周りには 越冬する良型個体 がしっかり残ります。
この時期の特徴は──
12〜1月にかけて1kg超えの大型が釣れやすい。
- 場所や条件次第では2kgクラスも
こんなサイズが冬に出るのは、寿命の短さと“産卵前で体力が残っている”タコが多いため。
ヒット数は秋より少ないですが、
“1杯で大満足”レベルの夢がある季節 です。
◆ 第5章:まとめ
宮城県のタコ釣りは、日本でもトップクラスに“ルールと季節の制限が厳しい釣り”です。
「釣りたい!」と思っても、禁漁期間や漁業権の壁にぶつかってしまい、自由に竿を出せる場所は多くありません。
でもその反面──
ルールを理解し、正しい場所と時期を選べば、宮城でもしっかりタコ釣りを楽しむことができます。
● 宮城のタコ釣りで特に大事なポイント
- 4月〜8月は禁漁期間。絶対に釣ってはいけない時期
- ほとんどの沿岸は共同漁業権エリアでタコ釣りが不可
- 気仙沼港・石巻港・塩釜港・仙台港以外は基本NGと考える
- それでも「絶対安全」ではないので、行く港に問い合わせるのが最も確実
- 密漁禁止の看板がある場所は絶対に避ける
ルールを知らないまま釣ってしまうと、
漁業法違反(100万円以下の罰金など) に該当する可能性があり、本当に危険です。
● 釣れる時期は秋〜冬が中心
- 秋(9〜11月):釣りやすく、数もサイズも狙いやすい
- 冬(12〜1月):越冬個体のキロアップが期待できる“ロマン期”
- 2〜3月:個体は居るが活性が低く難易度MAX
宮城のタコ釣りは“秋の安定”と“冬の大型”を楽しむスタイルです。
● タックルはパワー重視でシンプル
- 硬いロッド(専用でなくてもOK)
- リールは何でもOK
- PE6号以上
- タコエギ・ジグ・テンヤで狙える
必要以上に難しく考える必要はなく、
「強いタックルで底をしっかり探る」これだけで十分戦えます。
● 宮城のタコ釣りは“知識があれば楽しめる釣り”
ルールが厳しく、釣れる場所や時期も限られる宮城県ですが、
そのぶんタコが釣れたときの喜びは格別です。
- ルールを守る
- 安全第一で釣る
- 正しい場所で楽しむ
この3つを徹底すれば、宮城でもタコ釣りはしっかり楽しめます。
そしてなにより──
大型の1杯を手にしたときの達成感は、他の釣りでは味わえない特別な魅力です。
宮城の海で、知識あるアングラーとして、堂々とタコ釣りを楽しんでください。
