宮城県の堤防や漁港で狙える魚のひとつが「サヨリ」です。細長い体と水面を泳ぐ姿が特徴で、群れに当たれば初心者でも数釣りが楽しめる魚として知られています。一方で、エサの付け方や仕掛け、タイミングを間違えるとなかなか釣れない奥深さもあります。
この記事では、宮城県でサヨリが釣れる時期や主なポイント、基本的な釣り方を初心者にも分かりやすく解説していきます。これからサヨリ釣りに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。
サヨリの生態について

サヨリは主に沿岸の浅場に生息する回遊魚で、群れで行動しながら水面直下を泳ぐのが大きな特徴です。宮城県沿岸でも堤防や漁港の表層で姿を見かけることが多く、見釣り感覚で狙える魚でもあります。
産卵期は春から夏にかけてで、アマモなどの海藻が生えている浅場に産卵します。この時期は沿岸に寄りやすくなりますが、産卵後はサイズが小さくなる傾向があります。夏から秋にかけてもサヨリは狙えますが、釣れる個体は小型が中心になります。
一方、11月から3月頃にかけては大型のサヨリが回遊しやすく、宮城県ではこの時期が良型狙いの最盛期となります。寒い時期でも水面近くを意識して回遊するため、表層狙いが基本となります。
また、サヨリは汽水域に入ることはありますが、川の上流など淡水域まで進入することはありません。そのため、河口周辺や港湾部など海水の影響が強い場所が主なポイントになります。
サヨリが狙える時期
宮城県でサヨリが本格的に狙えるようになるのは、産卵が終わったあとの7月頃からです。この時期になると沿岸に群れが入り始め、堤防や漁港でも水面直下を回遊する姿が見られるようになります。
**夏場(7月〜9月頃)**はサヨリの回遊量が多く、比較的釣りやすいシーズンです。群れに当たれば連続ヒットも期待できますが、釣れるサイズは小型が中心となります。数釣りを楽しみたい人や初心者には向いている時期と言えるでしょう。
一方、30cmを超えるような大型のサヨリを狙うのであれば、11月〜3月頃がベストシーズンとなります。この時期は数こそ少なくなりますが、サイズの良い個体が回遊しやすく、一匹の価値が高くなります。寒い時期でも水面近くを意識して回遊するため、表層狙いが基本となる点は変わりません。
まとめると、夏は数釣り、冬はサイズ狙いと、季節によって楽しみ方が大きく変わるのがサヨリ釣りの特徴です。
サヨリ釣りの基本的な仕掛けと釣り方
サヨリ釣りの基本は、水コマセで回遊しているサヨリを足止めし、表層を狙う釣りです。群れで行動する魚のため、コマセが効くと一気に釣果が伸びるのが特徴です。
基本の釣り方
まずは水面に水コマセを撒き、回遊しているサヨリを寄せます。サヨリは水面直下を泳ぐため、タナはごく浅く設定し、ウキ下は短めにするのが基本です。群れが足元に入ってくると、目で見ながら釣れる「見釣り」も楽しめます。
足元を狙う場合(延べ竿)

足元中心で狙う場合は、延べ竿+シモリウキのシンプルな仕掛けがおすすめです。操作性が良く、ウキの動きも分かりやすいため、初心者でもアタリを取りやすいのがメリットです。堤防際に群れが寄ったときは特に有効です。
遠投して狙う場合(ルアーロッド)

足元に寄らない場合や広く探りたいときは、ルアーロッドを使った飛ばしウキ仕掛けが便利です。飛ばしウキにセル玉を組み合わせることで、軽い仕掛けでもしっかり飛距離を出すことができます。沖を回遊する群れにもアプローチできるため、釣り場の状況に応じて使い分けると釣果が安定します。
エサについて
エサはオキアミで十分です。食いが渋いときでも反応が良く、入手もしやすい定番エサです。
また、疑似餌としてガルプイソメを小さくカットしたものでも釣れることがあります。エサ持ちが良いため、手返しを重視したいときやエサの消耗を抑えたいときに試す価値はあります。
サヨリ釣りのアタリの見極め方
サヨリ釣りでは、ウキの動きをしっかり観察することが何より重要です。シモリウキやセル玉から目を離さず、常に水面を意識して釣りをします。
アタリは、ウキが大きく沈むとは限りません。
セル玉やシモリウキが横にスーッと動いたり、不自然に止まったりする動きが見られたら、それがアタリの合図です。違和感を感じたら、無理に大きく合わせる必要はありません。
基本は向こう合わせでOKです。アタリが出たらそのまま竿を立て、一定のスピードでゆっくり引き上げましょう。強く合わせると口切れの原因になるので注意が必要です。
また、サヨリは水面直下を泳いでいるため、条件が良いと捕食する瞬間を目で見られることもあります。エサに近づいてくる様子や、スッと口を使う瞬間が見えると、サヨリ釣りならではの面白さを存分に味わえます。
サヨリが釣れる場所
釣れる場所の基本
サヨリは沿岸を回遊する魚のため、堤防や漁港が主な釣り場になります。特に、接岸する時期に合わせて狙うことが重要です。
一度サヨリの群れが港内に入ると、しばらくの間は港内をぐるぐる回遊する傾向があります。そのため、タイミングさえ合えば同じ場所で安定した釣果が期待できます。反対に、群れが入っていないと全く釣れないこともあるため、事前に釣果情報をチェックすることが非常に重要です。
狙うポイントとしては、港内でも潮通しが良い場所や、堤防先端部、船道付近などが有力になります。水面を意識して回遊するため、表層に魚影が見えるかどうかも判断材料になります。
宮城県でおすすめの場所
宮城県でサヨリを狙うなら、車を横付けできて足場の良い大型漁港が多いエリアがおすすめです。サヨリ釣りはコマセや仕掛けの準備もあるため、アクセスの良さは大きなメリットになります。
具体的には、
- 石巻周辺の漁港エリア
- 塩釜周辺の港湾部
- 閖上周辺の漁港
といった場所は実績も高く、サヨリが港内に入りやすい傾向があります。初心者でも釣りがしやすく、群れに当たれば数釣りも期待できるエリアです。
サヨリのおすすめ料理

釣りたてのサヨリはクセが少なく、上品な味わいが特徴です。中でも一番のおすすめは、刺身の昆布締めです。
新鮮なサヨリを三枚におろして刺身にし、昆布で軽く締めることで、余分な水分が抜けて旨みが凝縮されます。淡白な身に昆布の旨みが加わり、サヨリの上品さがより引き立つ食べ方です。釣ったその日にぜひ試したい一品です。
また、刺身にしたあとの余った骨は骨せんべいにするのがおすすめです。水分をしっかり拭き取り、低温でじっくり揚げると、カリッと香ばしく仕上がります。頭から尻尾まで無駄なく食べられるのもサヨリの魅力のひとつです。
釣って楽しい、食べて美味しいのがサヨリ釣りの大きな魅力と言えるでしょう。
まとめ
サヨリは宮城県の堤防や漁港で狙える、身近でありながら奥深いターゲットです。群れで水面直下を回遊するため、時期と場所さえ合えば初心者でも十分に釣果が期待できます。
狙える時期は産卵後の7月以降で、夏場は回遊量が多く釣りやすい反面、サイズは小型が中心になります。30cmを超える大型を狙うなら11月〜3月がベストシーズンです。
釣り方の基本は水コマセで群れを寄せ、表層を狙うこと。足元なら延べ竿とシモリウキ、遠投するならルアーロッドに飛ばしウキとセル玉を使い分けると状況に対応しやすくなります。エサはオキアミで十分で、疑似餌を使った釣りも楽しめます。
釣り場は堤防や漁港が中心で、宮城県では石巻周辺、塩釜、閖上など、足場が良く大型漁港が多いエリアがおすすめです。群れが入るかどうかで釣果が大きく変わるため、釣果情報のチェックも重要になります。
釣ったあとは刺身の昆布締めや骨せんべいなど、食でも楽しめるのがサヨリの魅力です。ぜひ宮城県の海で、サヨリ釣りならではの楽しさを味わってみてください。
