宮城県の海釣りでよく見かける魚のひとつに「イシモチ」がいます。関東では「シログチ」と呼ばれることもあり、釣り上げると「グーグー」と鳴くユニークな魚です。この鳴き声がなんとも愛嬌があり、初めて釣ったときはちょっとビックリするかもしれません。
イシモチという名前の由来は、頭の中にある「耳石(じせき)」という白くて硬い石のような骨がとても大きいことから。「石を持つ魚」→「イシモチ」と名付けられたそうです。実際に頭の骨を割ると白い石のようなものが出てくるので、ちょっとした自由研究にも使えそうですね。
釣り方はとてもシンプルで、初心者でも簡単に釣ることができます。仕掛けを投げて待つだけで、ググッと力強い引きが楽しめるので、釣りデビューにもぴったりのターゲットです。
この記事では、そんなイシモチの生態や釣り方、宮城県内のおすすめ釣り場、美味しい食べ方まで、釣り初心者の方にもわかりやすく紹介していきます!
2. イシモチってどんな魚?
イシモチは、スズキ目ニベ科に属する海水魚で、見た目は銀色に輝くボディと大きめの口が特徴です。体はやや細長く、頭が大きめで、全体的にスタイリッシュなフォルムをしています。背びれの付け根から尾びれのあたりには、うっすらと黒っぽい斑点が並んでいることもあります。
イシモチの主な生息地は、水深のある砂地や砂泥地。港の岸壁周りや堤防、さらにはサーフ(砂浜)でも見かけることがあり、宮城県の沿岸部でも広く分布しています。
この魚の特徴のひとつは、群れで行動する習性があること。群れに当たると連続で釣れることも多く、「さっきまで何も釣れなかったのに、急に入れ食い!」なんて展開もよくあります。とにかく数が出やすい魚なので、釣りの楽しさを味わいたい初心者にはもってこいのターゲットです。
釣れるサイズはおおよそ20cm〜30cm前後が多く、小型でもなかなかの引きを見せてくれるのが魅力です。中には40cm近い大物が釣れることもありますが、そこまでいくとちょっとした自慢ネタになりますね。
「手軽に釣れて、しかも食べても美味しい」そんなイシモチは、まさに海釣り入門にぴったりな魚と言えるでしょう。
3. 宮城でイシモチが釣れる時期と時間帯

イシモチは宮城県の海でもよく見られる魚で、比較的シーズンが長いのが特徴です。特に釣果が安定するのは5月〜10月ごろ。水温が上がり始める春の終わりから、秋の始まりまでがベストシーズンです。
● 釣れる時期の目安
- 春(5月〜6月):シーズン開幕。浅場にも差してくるようになる。
- 夏(7月〜8月):数釣りのチャンス!群れに当たると入れ食いも。
- 秋(9月〜10月):サイズアップが狙える時期。脂も乗って美味しい。
水温が下がってくる11月以降は徐々に釣れにくくなりますが、場所によってはもう少し粘れるポイントもあります。
● 時間帯のおすすめ
イシモチは日中でも十分釣れる魚ですが、より釣果を上げたいなら次のような時間帯が狙い目です。
- 朝マヅメ(夜明け前〜朝8時ごろ)
- 夕マヅメ(夕方〜日没前後)
この時間帯は潮の動きが活発になり、魚の活性も高くなるタイミング。群れが回遊してくる確率も上がるので、効率よく釣果を伸ばせます。
とはいえ、イシモチは「釣りやすい魚」として知られているため、日中のんびりと釣っても十分チャンスがあります。堤防やサーフでゆったりと構えて、釣りを楽しみましょう!
4. 宮城でイシモチが釣れる場所

イシモチは、砂地や砂泥底の場所を好む魚です。海底が泥っぽかったり、砂が混じっているようなエリアなら、どこでも釣れるチャンスがあります。特にサーフ(砂浜)や、底が砂泥の漁港が狙い目です。
また、マゴチやヒラメがよく釣れる場所では、イシモチも高確率で狙えます。これらの魚は似たような場所にいることが多く、同じタックルや仕掛けで一緒に狙えることも魅力のひとつです。
● 宮城県内の主なイシモチポイント
■ 県南サーフ
柴田・亘理・山元町などの海岸線では、春〜秋にかけてイシモチの実績が高いです。遠浅で投げ釣り向きのポイントが多く、初心者でも竿を出しやすいエリアです。
■ 仙南エリア(閖上・荒浜など)
砂地と砂泥底が広がる釣り場が多く、イシモチの回遊が見られます。漁港や河口周辺など、のんびり釣りができる環境も魅力です。
■ 松島湾周辺(塩釜・七ヶ浜など)
潮通しが良く、深さもそこそこある釣り場が点在。サビキや投げ釣りなどさまざまな釣りが楽しめるエリアで、イシモチの回遊もよくあります。
■ 県北サーフ(石巻より北)
雄勝・女川・牡鹿半島の一部など、自然の残る遠浅サーフが多く、投げ釣りでのイシモチ狙いに最適です。ヒラメやマゴチの実績がある場所では、イシモチも期待できます。
■ 宮戸島・野蒜エリア
松島湾の東側に位置する静かなエリアで、砂地が広がる釣り場が点在。潮の動きも穏やかで、投げ釣りやちょい投げで狙いやすい場所です。
イシモチは一見どこでも釣れそうに見えますが、底が「砂」や「砂泥」になっていることが最大のポイント。釣り場選びのときは、底質や他の釣果情報(マゴチ・ヒラメの実績など)を参考にすると、より効率よく釣果が期待できます。
5. イシモチの釣り方

イシモチは、餌釣り・ルアー釣りのどちらでも狙える万能なターゲットです。群れに当たれば数釣りも可能で、引きも強くて楽しめるため、じっくり構えて狙うのも、ライトタックルで探っていくのも両方アリです。
● 5-1. 餌釣り(投げ釣り・ちょい投げ)
イシモチ釣りの王道はエサを使った投げ釣りです。とくに堤防や漁港からの「ちょい投げ」、サーフ(砂浜)からの「本格的な投げ釣り」のどちらでも成立し、仕掛けも非常にシンプルです。
■ 基本的なタックル
- ロッド:投げ竿またはルアーロッド(長さ8〜10ft程度)
- リール:スピニングリール 2500〜4000番
- ライン:ナイロン3〜4号 または PE1号前後+リーダー
■ 仕掛け
- 片天秤or中通しオモリ(5〜10号)
- ハリス:1〜1.5号程度
- 針:流線12〜14号、丸セイゴでも可
シンプルなブッコミ仕掛けやジェット天秤+投げ釣り仕掛けで十分対応可能です。
■ エサ
- アオイソメ:定番で万能。動きと匂いで誘う。
- ジャリメ:サイズが小さめで食い渋り時に効果あり。
砂泥底に仕掛けをしっかり置いておけば、あとは待つだけ。アタリは明確で、竿先がコンコンと揺れるので見逃さないように注意です。
● 5-2. ルアー釣り(ライトワインド&ズル引き)
イシモチはルアーでも狙える魚です。ルアー釣りのターゲットとしてはあまり有名ではありませんが、ジグヘッド+ワームの組み合わせで十分通用します。
■ 有効なルアーとリグ
- ジグヘッド:5〜15g程度(ボトムを取れる重さで調整)
- ワーム:
- イソメ型:リアルな見た目が効果的
- 匂い付きのワーム(例:ガルプ サンドワームやエコギア熟成アクア)が特に有効
■ アクション
- ボトムを意識したズル引きやリフト&フォールが基本
- 底をズリズリ引いてくるだけで十分アピール可能
- イシモチがいる層は基本「ボトム」なので、浮かせすぎないのがコツ
群れに当たると連発することもあり、ライトタックルでのルアー釣りは非常にエキサイティングです。
6. イシモチのおすすめ料理

イシモチはクセのない白身魚で、どんな調理法でも美味しく食べられる万能選手です。特に釣りたてのイシモチは鮮度抜群で、市場ではなかなか味わえない格別の旨さがあります。
● 一番のおすすめは「塩焼き」
イシモチ料理でまず試してほしいのが、シンプルな塩焼きです。
- 軽くウロコと内臓を取って、全体に塩をふって焼くだけ
- 皮はパリッと、身はふんわりとしていてジューシー
- レモンやすだちを添えると風味が引き立ちます
骨が比較的大きく取りやすいため、食べやすさも◎。初めて釣ったイシモチは、まず塩焼きで味わってみるのがおすすめです。
● その他のおすすめ料理
■ 刺身
釣りたてで鮮度が高ければ、刺身でコリコリとした食感が楽しめます。ほんのり甘みがあり、しょうが醤油や柚子胡椒で食べると絶品です。
■ 煮付け
出汁がよく出るので、醤油・みりん・砂糖での甘辛煮もおすすめ。白いごはんにぴったりの一品になります。
■ 潮汁・味噌汁
頭やアラを使った**潮汁(うしおじる)**や味噌汁も絶品。あっさりした旨味が出て、釣りの後の体にしみわたります。
イシモチは「釣って楽しい」「食べて美味しい」魚。釣果があった日は、ぜひいろいろな料理でその美味しさを堪能してみてください。
7. まとめ
- イシモチは宮城県でよく釣れる、初心者にも人気の白身魚
- 頭の中に大きな耳石があることから「イシモチ」と呼ばれ、釣りあげると「グーグー」と鳴くユニークな魚
- 主に砂地・砂泥底の場所に生息し、漁港・堤防・サーフなどから狙える
- 宮城県内では、県南サーフ・仙南・松島湾周辺・県北サーフ・野蒜エリアなどが好ポイント
- 釣り方は**エサ釣り(投げ釣り・ちょい投げ)**がメイン。アオイソメやジャリメを使ったシンプルな仕掛けでOK
- ルアーでも狙える。匂い付きのイソメ系ワーム+ジグヘッドでボトムを探るのが効果的
- 一番のおすすめ料理は塩焼き!シンプルだからこそ素材の旨味が引き立つ
- その他にも唐揚げ、刺身、煮付け、潮汁など幅広く美味しく食べられる
是非イシモチ釣りにチャレンジしてみてください!