アジングロッドでエギングはできるのか?逆に、エギングロッドでアジングは可能なのか?さらにメバリングとの兼用はどうなのか――釣りを始めたばかりの人からベテランまで、よくある疑問です。
結論から言うと、アジングもエギングもロッドの兼用は可能です。ただし「何でも大丈夫!」というわけではなく、いくつかの注意点やポイントを理解しておく必要があります。
この記事では、アジングロッド・エギングロッド・メバリングロッドを兼用する際のメリットやデメリット、実際に使う上で気を付けたい点をわかりやすく解説していきます。
筆者の自己紹介と普段の釣りスタイル
まずは簡単に自己紹介。普段は宮城県を中心に釣りを楽しんでいるタカヒロと申します。メインはメバリングとエギングで、シーズンによってはアジングにも挑戦しています。
使用しているタックルは、アジングには ダイワの月下美人。メバリングには、感度の高い SMITHのトラウトロッド と、操作性と軽さに優れた tailwalkのライトゲームロッド を使い分けています。そしてエギングには、信頼性のある シマノのセフィア を愛用中です。
これらのロッドを実際に兼用しながら釣りをしてきた経験を踏まえ、この記事では「アジングロッドでエギングはできるのか?」「エギングロッドでアジングは可能なのか?」「メバリングロッドとの兼用は?」といった疑問について、リアルな視点で解説していきます。
第1章 普段の釣りスタイルで変わるロッド選び
結論から言うと、アジング・メバリング・エギングは1本のロッドで流用可能です。ですが、どの釣りをメインにするかによって「選ぶべきロッド」が変わってきます。
たとえば、
- アジング > メバリング > エギング という人なら → アジングロッドを軸にするのがおすすめ。
- アジング < メバリング < エギング という人なら → エギングロッドをメインに据えた方がバランスが良い。
つまり、自分の普段の釣りスタイルを基準にして考えることが大切です。
筆者の場合、最も多いのはメバリング、次にエギング、そしてアジングはたまに楽しむ程度です。さらにメバリングやアジングではフロートリグを多用するため、結果的にエギングロッド1本で十分に対応できるスタイルに落ち着きました。
逆に、もし自分の釣りが「常夜灯周りでの小型アジ狙い」が中心だったなら、間違いなくアジングロッド1本で完結していたと思います。
このように、ロッド選びは「どの釣りを一番しているか」「どんなリグを多用しているか」で決めるのが失敗しないコツです。
第2章 エギングロッドの特徴(アオリイカを前提に)

まず大前提として、ここで解説する「エギング」とは アオリイカをターゲット にした釣りを指します。アオリイカ用のエギングロッドは、ライトゲームロッドの中でも「万能ロッド」と言われることが多く、幅広い釣りに流用できるのが特徴です。
エギングロッドの主な特徴
- 対応ルアー(餌木)の幅が広い
1.5号(約3g)から4号(約25g)まで扱えるため、軽量リグから重量級まで対応可能。 - ロッドの剛性が高い
大型のアオリイカにも耐えられるバットパワーを持ち、他魚種相手でも安心。 - 8ftクラスの長さ
遠投性能を重視して設計されており、広いサーフや防波堤からの釣りにも適応。 - シャクリを前提とした設計
しゃくり動作を繰り返しても疲れにくい軽量設計で、なおかつロッドに反発力がある。 - 先調子設計(ファストテーパー)
餌木の操作性とアタリの感度を重視しており、イカのわずかな抱きつきも見逃さない。
まとめると
エギングロッドは「長さ」「パワー」「感度」「操作性」のバランスが取れており、ライトゲームにおいても非常に使い勝手の良いロッドです。特に遠投や重めのリグを使う場面では、アジングやメバリングロッドよりも明らかに優位性があります。
第3章 メバリングロッドの特徴

メバリングロッドは、主にメバルをターゲットとした専用設計のライトゲームロッドです。アジングやエギングロッドに比べて「軽量ルアーの扱いやすさ」と「柔らかさによる食わせ性能」が大きな特徴となります。
メバリングロッドの主な特徴
- 軽量ルアーに最適化
1g前後の極小ジグヘッドから、フロートやプラグなど10g程度まで扱える。軽量リグをキャストしやすい設計。 - 柔らかい穂先(ソリッド・チューブラー)
小さなアタリを弾かずにしっかり食い込ませるため、繊細さと食わせ性能を重視。 - 強いバットパワー
一方で大型の尺メバルにも対応できるよう、バット部分はしっかりとした強度を備えている。 - 長さのバリエーション
- 常夜灯周りや港湾内 → 6ft前後のショートロッド が取り回しやすい。
- フロートリグや遠投ゲーム → 8ftクラスのロングロッド が活躍。
まとめると
メバリングロッドは、軽量リグを扱いやすく、小さなアタリを確実に掛けるために作られた「繊細さ」と、大型メバルにも対応できる「パワー」を兼ね備えたロッドです。アジングよりは強め、エギングよりは繊細な中間的な立ち位置にあるのが大きな魅力です。
第4章 アジングロッドの特徴

アジングロッドは、極小ワームやジグヘッドでアジを狙うことに特化したロッドです。ライトゲームの中でも最も繊細なロッド設計が特徴で、「軽さ」「感度」「操作性」に優れています。
アジングロッドの主な特徴
- 超軽量ルアー対応
主に1〜3g前後の超軽量ジグヘッドリグを正確にキャストできる。軽量リグを扱う性能はライトゲームロッドの中でもトップクラス。 - 繊細なアタリを取る設計
アジ特有の「コツッ」という小さなアタリを逃さないため、先調子(ファストテーパー)で超高感度。 - 短尺ロッドが中心
長さは5ftクラス〜7ftクラスと短め。常夜灯周りや足場の良い港内など、近距離戦での操作性を重視。 - 超高感度のブランク設計
軽量で硬めのティップにより、水中のわずかな変化を手元に伝える。極細ライン(PE0.2〜0.4号やエステルライン)との相性も抜群。
まとめると
アジングロッドは「超軽量ルアーを正確に操作し、繊細なアタリを確実に掛ける」ためのロッドです。メバリングロッドよりもさらに繊細で、エギングロッドとは正反対の性格を持っていると言えます。
第5章 アジング・メバリング・エギングロッドに共通する特徴
ここまでそれぞれのロッドの特徴を解説してきましたが、実はアジング・メバリング・エギングのロッドには共通点も多くあります。そのため、ある程度の兼用が可能となっているのです。
共通するポイント
- アタリを重視した先調子設計
いずれもルアーの操作性や感度を高めるために、ティップは基本的に先調子(ファストテーパー)。 - 軽量設計で疲れにくい
長時間のキャストやシャクリでも疲労が少ないよう、軽さが意識されたブランク設計。 - 柔軟なルアー対応力
モデルによっては2g程度の軽量ジグから15g前後のフロートリグや小型エギまで投げられるなど、幅広いルアーに対応できる。 - ルアー操作性を重視
小さなアタリを感知するだけでなく、ルアーをしっかりとアクションさせるための操作性が重視されている。
まとめると
アジング・メバリング・エギング、それぞれに特徴はあるものの、「感度・軽さ・操作性」 といった基本思想は共通しています。そのため、釣りのスタイルによっては1本のロッドで複数の釣りをカバーできるわけです。
第6章 アジングが多い人におすすめのロッド選び
アジングをメインにしながら、メバリングや軽いエギングも楽しみたい人には、遠投性能のあるアジングロッドを選ぶのがおすすめです。
選ぶポイント
- 遠投モデルを選ぶこと
アジングロッドでも7ft台後半のロングモデルならフロートリグを遠投でき、メバルや小型エギングにも対応可能。 - 軽量ルアーへの対応力
1g前後のジグヘッドリグを扱える繊細さが残っていることが重要。アジ本来の「繊細なアタリを取る楽しさ」を損なわない。 - エギ3号(約15g)への対応力
15g前後のエギをキャストできる強度を持っていれば、ライトエギングもカバー可能。
おすすめロッド
- ダイワ 月下美人 AJING 78ML-S
7.8ftの遠投モデルで、ジグ単からフロートリグ、さらには小型エギまで幅広く対応可能。繊細さとパワーの両立で「アジングを主軸にした兼用ロッド」として最適。
まとめると
「アジングがメインで、時々メバリングやライトエギングも楽しみたい」人は、遠投型のアジングロッドを選ぶと失敗がありません。軽量リグの操作感と兼用力のバランスが取れているため、1本で遊びの幅が一気に広がります。
第7章 メバリングが多い人におすすめのロッド選び
メバリングをメインに楽しむ人は、小物から大物まで対応できるバランスの良さを最優先にロッドを選ぶと失敗がありません。
選ぶポイント
- アジングに必要な感度は標準装備
多くのメバリングロッドは軽量ジグやプラグを繊細に操作できる設計で、アジングに必要な感度も十分に備わっています。 - 大物に対応できるパワー
メバルは引きが強い魚種のため、尺メバルや外道の大型ロックフィッシュが掛かっても対応できる強めのバットパワーが大切。 - 小物から大物までをこなす万能性
常夜灯周りでの小型メバルから、遠投フロートでの大型狙いまで幅広く対応できるのがメバリングロッドの魅力。 - エギングとの兼用を考える場合
エギ3号(約15g)をキャストできるかどうかが兼用ロッドとしての重要なポイント。
おすすめロッド
- tailwalk Micro Gamer S74UL(マイクロゲーマー)
アジングロッドに匹敵する繊細さと感度を持ちながら、メバリングに必要なパワーも兼備。7.4ftのレングスでフロートリグの遠投もこなせ、さらに15g前後のエギも扱えるため、兼用性能に非常に優れたモデル。
まとめると
メバリングを主軸に据える人は、感度・パワー・万能性の3つを兼ね備えたロッドを選ぶのがベスト。アジングにも流用でき、軽めのエギングまでカバー可能なため、1本で幅広い釣りを楽しめます。
第8章 エギングが多い人におすすめのロッド選び
エギングをメインにしている人は、ロッドのパワー面では十分すぎるほど対応できます。むしろ大切なのは、ライトゲームにも流用できる感度と繊細さを持ったモデルを選ぶことです。
選ぶポイント
- アジング・メバリングに必要な感度を意識する
通常のエギングロッドはバットパワーが強く、重めのエギに最適化されています。兼用を考えるなら、軽量リグの操作や小さなアタリを拾える感度の良いモデルを選びたい。 - 軽量ルアー対応力
エギ1号(約2.5g)程度をキャストできる柔軟さがあれば、アジングやメバリングにも流用可能。 - ULクラスのエギングロッド
エギングロッドの中でも「UL(ウルトラライト)」クラスなら、パワーと繊細さのバランスが取れていて兼用性が高い。
おすすめロッド
- シマノ Soare SS S76-UL-S
筆者も愛用しているモデル。7.6ftの長さで遠投性もありつつ、ULクラスのしなやかさと高感度ティップを備えた1本。エギングをメインにしながら、アジングやメバリングも快適にこなせる万能ロッド。
まとめると
エギングが多い人には、ULクラスのエギングロッドがおすすめです。パワーを持ちながらも感度が良く、軽量ルアーも扱えるため、アジングやメバリングとの兼用にぴったりです。
第9章 ロッドを兼用するメリットと注意点
メリット
- ロッド1本で複数ジャンルを楽しめる
釣り場に持っていくタックルを減らせるので、移動や準備がとても楽。 - 財布にやさしい
ロッドを複数本そろえる必要がないため、初期費用を大幅に抑えられる。 - 釣りの幅が広がる
その日の状況に応じてアジ・メバル・アオリイカを狙えるなど、1本で色々なターゲットに対応可能。
注意点
- 極端なシチュエーションには対応できない
例えば、0.6g以下のジグ単を使う豆アジ狙いでは繊細すぎて操作しづらい。逆に、2kg以上の大型アオリイカ狙いではパワー不足になることもある。 - 専門ロッドに比べると「快適さ」では劣る
あくまで“兼用できる”レベルであり、アジング・メバリング・エギングを極めたい人には専用ロッドの方が釣果も快適さもアップする。
まとめ
アジング・メバリング・エギングは、それぞれ専用ロッドが存在しますが、実際には1本のロッドで兼用することも十分可能です。
- 普段の釣りがアジング中心なら → 遠投型アジングロッド
- メバリング中心なら → 万能性の高いメバリングロッド
- エギング中心なら → ULクラスのエギングロッド
を選ぶことで、1本で複数のジャンルをカバーできます。
もちろん、兼用には限界もありますが、**「タックルを増やしたくない」「色々な釣りを試したい」**という人にとっては大きなメリットがあります。自分の釣りスタイルを基準にロッドを選べば、1本で想像以上に幅広い釣りが楽しめますよ。